■ 佐藤大成歯科クリニック様の閉院成功事例


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佐藤先生:
医療法人解散セミナー、M&A セミナーに参加し
納得できる医院着地点を選択できました。

また、医療法人の譲渡先を見つけていただき、
お金を得ながら無事に閉院できました。

本当にありがとうございます。


柏崎:
今回はインタビューを快諾いただきましてありがとうございました。

医療法人を譲渡しつつ閉院を行う事例や
情報があまりに少なく、過度にリスクを感じる方も多いため

これから行う方への注意点がどのようなところにあるのか
体験者の生の声を頂くために今回インタビューさせていただきました。


まず、セミナー参加を 2 回程していただいて、
1 年後ぐらいに法人の売買を進めるというお話だったと思います。

最初、医療法人の解散に関するセミナーに参加していただきました。
当初セミナーに参加した当時の状況をお伺いしてもよろしいでしょうか。


■ 歯科医院をやめるきっかけ


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佐藤先生:
かれこれ 10 年以上経ってきて、
スタッフも結婚し、家族を持ったので、

社員からパートに段々なってきたこと、
患者さんの数も減ってきました。

心境の変化は、段々視力も落ちてきますし、
50 代だったことです。


それから後継者の問題がありました。

息子が医者になりましたし、娘も大学院という形で、
2 人の子どもを抱えて、学費の問題もありました。


そうこうしているうちに、3 年間のコロナ、
マイナンバー制度の問題、社会保険についての問題が発生しました。

東京みたいに首都圏ではないので、自費率は 10%~15%と少ないです。

ほとんど社会保険でやっている実情でしたが
期待に沿わない社会保険制度でございました。

今お話ししたコロナ、マイナンバー制度、
社会保険の低評価、それからスタッフ。


この 4つ+自分の年齢、

私の年齢ですと、ちょうど年金が始まる時だったものですから、
そのあたりを含めまして、歯科医師業界から撤退する決心がありました。

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柏崎:
そうですよね。
マイナンバーは先生からいただいたこの記事ですね。

最初、医療法人の解散売買に関するセミナーに
参加していただきました。

どのような事を得ようと思い、参加されましたか。


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佐藤先生:
自分の子ども達は医療系に進んだけれども、
福島の地元は戻ってこないということでした。

子ども達は自分の医療法人を引き継がないということで
法人をどうしようかと悩みを持っていたところで、
タイミングも良かったと思います。

また、私は保険医協会の共済制度の理事をやっておりましたので、
ちょうどタイムリーでした。


だから自分の事+と自分の周りの環境も含めてタイミングがあったという事で
医療法人解散セミナーに参加させていただきました。

■ 弊社主催の医療法人解散セミナー参加後は
  近隣の医院への譲渡を考えていた。



柏崎:
セミナーが 2022 年 2 月末に行なわれて
先生からいただいたセミナー後のメールの内容として、

「個別相談希望の佐藤です。決算書をメールで送付します。

 来年の 2023 年の 8 月決算で法人の解散を目標にしています。
 医師、歯科医師の子供達は現在譲渡受け希望なしです。

 来月の年金受給申請(65歳)も視野に入れて準備中です。
 ただ、近隣の医療法人への吸収合併を第 1 希望に考えています。

 できなければ、解散閉院をして、
 他の業種、学習塾とかに建物を貸し出し、または譲渡を考えています。」

ということでした。
当時は近隣の医科方針への吸収合併を考えておられたようでしたね。


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佐藤先生:
子ども達に期待と負担をかけてはいけないと思いながらも、

うちの娘が歯科医師、息子が医師になったという事で、
複合的な医療施設を考えていました。

しかし、
子どもは親の思い通りにはなりませんでした。

子ども達から、
福島には戻らないというのがありました。


それなのでうちの息子が幼稚園の時からの同級生がおられて、
歯科医師になっている方がいました。

そちらのご家族はうちの規模とは全然違う
10 倍、100 倍ぐらい大きな病院経営をなさっている方で
息子が帰ってこないのであれば、そちらに譲ろうと考えていました。

自分の 2 代目に対する思いも、
近いところに友人がいたという事もあり、

その時の自分の体を含め、
自分と家族が一族郎党お世話になっていた医療法人だったので、
譲渡しても良いかという思いに至ったわけです。


柏崎:
その時、月 1 回研修に来られてたという事ですか。



佐藤先生:
臨床をしたいという形で、月に 1 度、うちに来られてました。

しかし、自分が考えている規模と、
医者のお父様が考えている医療規模が違いました。

どこが違うかと言いますと、譲渡しようと思った規模の医院は、
従業員が 300 人近くの大きな病院です。

普通の歯科医の規模とは全然違います。

また、臨床経験が浅く、歯科大勤務中でしたので
譲渡のタイミングが合いませんでした。

■ 弊社主催の医院M&A体験セミナー参加後は
  閉院+建物を異業種に賃貸に方針変更



柏崎:
そのあとに、医院のM&A体験セミナーをその後受講されておられました。
その受講をしていただいた時のアンケートの中で、

「家族への譲渡ならまだしも別の方への譲渡に関しては、複雑さ、困難を実感をした。」

つまり第三者に譲渡する事が凄く大変だ
という事を実感したというアンケートの記入がありました。


セミナーの中で、どういったところが
第三者に譲渡するのは大変だと感じましたか。

また、事業の譲渡をする事に関する希望
というのはだいぶ薄まったと思いますが、いかがですか。


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佐藤先生:
あのときのセミナーありがとうございました。

実際にM&Aをセミナーで体験できて
準備も大変でしたでしょうに、敬意を表します。

譲渡に際して、スタッフが退職すると
次の承継者が困ることは理解できました。

うちのような小規模(スタッフ4名)歯科法人ですと
譲渡の際のスタッフ退職と言いましても非常勤であるため
スタッフ自体が生涯を通じての勤務と考えていないのが実情です。

しかるに、今後は雇用も益々難しくなることを考え
当医院は廃院と同時に退職が適当であると思いました。


また、田舎ほど日本は村社会です。
村社会ですから、ライバルが増えるのは嫌がります。

知り合いの方から「同じ業種でない方が良いかもね。」と。

たまたまうちは立地条件が非常に良いところにあったので、
その点、他業種への売却、賃貸が適当であると考えました。

このように考えを切り替えられたのは、
医院のM&A体験セミナーで第三者への譲渡への複雑さ、困難さを
実感できたからかもしれません。

■ 医療法人解散ではなく
  法人格譲渡+閉院も視野に入れる。



柏崎:
たしかに 2022 年の 2 月に解散のセミナーを受けられて、
その後、医院譲渡の事を考えながらも、

6 月のセミナーの M&A のセミナー後は、
完全に方針が切り替わりました。

完全に医院は閉院し、他業種に建物を貸していこう
という方針を切り替えられたかと思います。


そして、セミナーの中で御話しさせていただいた
法人格譲渡+閉院、

つまり、医療法人格のみをどなたかに買い取ってもらい、
佐藤先生の医院は閉院するという方法に興味を持たれました。

M&A や事業譲渡というと、クリニックも含めて譲渡するのが一般的です。

法人格の譲渡を知ってらっしゃる方は、基本的にあまりいないようで、
福島県でも、お話をしていくと

「そういう事が出来るのか。」
という質問をよく受けます。

当初怪しいと思いませんでしたか。



佐藤先生:
法人格の譲渡に関しては、柏崎様のセミナー等で認識しておりましたので
スキーム自体には不安はありませんでした。

法人格の売買も、セミナーで面倒だけれども
メリットデメリットを案内をいただいていたので、それを利用したわけです。

日本全国に公募して、柏崎様の仲介もあって、
たまたま運良く買ってくださる方がいたので、譲渡できました。

柏崎様の信用度に関しては、保険医協会の力は大きかったです。

実は、柏崎様が信頼に値する業者か保険医協会の方に
裏を取らさせていただいたんです。

そうしましたら、
「柏崎さんは講師をなさってる方なので間違いはないですよ。」

と保険医協会様からもお墨付きがあったので、
「大丈夫だ。」という事で、

医療法人の売買に関しても、
お相手するのには遜色ないという決心が付いたわけです。

■ 患者さんがつかない医療法人格のみを
  多額の費用を払う方がいるのに驚きました。


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柏崎:
一般的に、地方のクリニックさんだと、
事業と紐づいて、法人格でセットで売ると、
高値で売れなかったりします。

逆に福島県だと、法人格だけの方が
高く売れてしまう傾向があります。

通常、医療法人設立とすると、60 万円ぐらいで設立ができてしまうので、
なぜこんな高値で買うのかと疑問に思いませんでしたか。


佐藤先生:
自分が逆の立場で医療法人格のみを買うとしても
高くて 300 万円ぐらいだと思います。

それよりもはるかに高い価格で売れてラッキーと思いました。
そして法人譲渡に多額の費用を負担する方がいらっしゃることに驚きました。

高いに越したことはないですが
私に損がなければ良いという気でもおりましたし、

顧問税理士さんとの懇談で
法人格だけの売買だと現在法人化には数十万で設立できるので

多額で買う人はいないと断言しておりましたので。


柏崎:
一般的にはここまでの金額で買われる方は
いない可能性が非常に高いです。

タイミングと、先生の運です。



佐藤先生:
これは柏崎先生のお力でしょう。

法人格譲渡は友人の隣県歯科個人開業医に
とも考えましたが

私自身は医療法人化は否定的なので、
親友の歯科医に法人譲渡は期待を裏切る行為なのでやめました。

■ 買い手にとって医療法人のみを購入することに
  メリットがあるのか少し不審に思いました



柏崎:
法人格のみを買いたいという買い手が
現われた時の事を詳しくヒアリングをしたいんですけれども、

実際に買い手が見つかりましたといった時に、
その後の流れをウェブで面談させていただきました。


その時に、先生のクリニックと買い手さんのクリニックの
併存する期間といったものが発生する事をお話させていただきました。

先生の医院と、相手先の医院が 1 つの医療法人の中で
併存する期間が発生するという事をお話させてもらいましたが、
その時は、説明に関して不安には感じませんでしたか。


佐藤先生:
基本的に、令和 5 年 3 月でもう歯科医師としての
私の気持ちが切れてしまっていました。

譲渡した医療法人様に成功して欲しいと思いましたし、
その後は歯科医院経営を引き続き行い、
しがみつくとかは考えていませんでした。

また、柏崎様が仲介するんだったら大丈夫と思ったわけです。


柏崎:
閉院する事が決まっていたので、
仮に先生の医院が買い手の医院から乗っ取られるとか、
そういう事に関する過度な心配はなかったという事ですね。



佐藤先生:
むしろ心配だったのは買い手にとって
法人格を購入することにメリットがあるのか少し不審に思いました。

買い手の方は栃木の方でしたが、
法人格だけの承継であれば地元ではないため、

今いる患者も引き継げず
買い手が投資しても費用対効果があるのかと。


柏崎:
おっしゃるとおり、買い手にメリットがあるのか不審に思いますよね。

買い手が存在する栃木県は、
個人の開業実績が 2 年以上あることを持って法人化を認めることになります。

なので、2 年も待っていられないということが、
大きなポイントになっておられます。


また、税的にメリットがある社会医療法人等を目指しておられる方なので、
早く法人格を得られることがメリットが大きいです。

税制優遇を受けられる期間が 3 年ほど早まると、
その分のメリットが大きいため、今回名乗りを上げたという事になります。


■ 閉院手続きについてもフォローしてもらった。


そのほか、佐藤先生の不安を払しょくするために
おもに下記の点を説明したかと思います。

・決算書の整理

貸借対照表の資産と負債をゼロにすることが必要であることそのために、

借入金と医療機器の処分についてお話ししました。

法人売買のお話が進んでいることを顧問税理士への伝言依頼をしました。


・引継がなくてはいけない資料の説明

会計資料や過去の役所に提出をした届出、定款、

一般的な会計資料、元帳、仕訳帳

といった資料が引き継ぎに必要ということを伝えました。


・譲渡スケジュールと今後の予定

まず、買い手の方でリスク調査をし、

譲渡手続きの流れ、閉院手続き、譲渡時期について説明しました。


・その他、役員構成の確認、通帳や法人印鑑の取り扱いの注意点


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佐藤先生:
私個人だけでは頭が追いつかないので、

次の医療法人の先生なり、
事務長さんなり、柏崎先生なり、

そういう方が仲介に立ちながら進めていただいて、

通帳を預かるのも、極端に言えば、
弁護士等、第三者的な方に間に入ってもらいながらの方が
私はスムーズというお話をさせていただいたかと思います。


そして、閉院する手続きに関して、福島県の歯科医師会に出向きまして、
色々書類等を確認していたかとおもいます。

うちの場合、個人経営ではないので、
医療法人の閉院に関しては、詳しいお話は聞いて来れませんでした。


柏崎:
そうですね。
医療法人譲渡の手続きの中に、

閉院手続きの一部が含まれておりましたので、
閉院手続きについても私の方でお話ししました。

弊社の担当スタッフとのやり取りに
ご不便さであったり、そういった事は感じませんでしたか。



佐藤先生:
担当のスタッフの堤様は優秀で、すごく有能な方だと思います。
言葉遣いの節々にそう感じました。

資料のやり取りもスムーズで、指示も的確で大変助かりました。


柏崎:
譲渡手続き中に M&A 総合研究所という所から
DM が来たという事もお話されていましたね。

何だったのですか。



佐藤先生:
営業目的の DM だったのでしょう。
商魂たくましかったです。
ツツミ様を通して一通だけ送りました。

うちの父母が亡くなった時も仏壇屋等、メールがすごかったです。
「亡くなった。仏壇どうですか。お墓どうですか。」とか。。苦笑

■ 無事に閉院して精神的には非常に楽になりました。



柏崎:
無事に譲渡代金が入金され譲渡手続きも終わり、
先生の医院も閉院されたという事で、
肩の荷が下りたような感じですか。



佐藤先生:
やる事が多くて、お墓を作ったり、納骨を老人 4 人分あるんです。

確かに睡眠時間が増えましたし、
急かされるという事はないですが、
時間が経つのは早いです。

あっという間に 2 週間過ぎます。

だから、いかに自分が歯科医師として
細かい事で急かされていたかというのが、すごくわかります。

精神的には非常に楽になりました。
やっぱり元気で普通の生活ができる人間が幸せです。

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柏崎:
佐藤先生の相談メールの中で印象的だったのが、
「医療法人設立は失敗でした。」という本文です。

「退職金もなかったりで法人化が失敗でした。」
という記載でしたが、

多少なりとも売買代金で退職金としてお渡しできたという事で、
自分としては法人化を少しでも良いと思ってくれたかと思っています。

その点に関しては少しばかりでもお手伝いができたと思い、
良かったと感じています。


■ 60過ぎてから老後の準備をしても遅い。
  若い先生は開業当初から年金制度のことを考えて
  いまのうちから準備を。



佐藤先生:
私がびっくりしたのは、医療法人の理事長を 13 年やって、
退職金はそこまでいかないことです。

学校の先生でさえ、最低 2000 万はいくんです。
夫婦で 4000 万円です。

国民年金だけではもちろん足りません。
具体的には月 10 万円いかないんです。
日本歯科医師会の年金も月 10 万円ぐらいです。


その他に私的な、例えば、色々各生命保険会社の保険になります。
そういうものを含めて、生活水準が維持できるかの判断になるんです。

そういう事は個人によって全部やるかやらないかはありますが、
60 歳過ぎてからの準備では遅いです。


個人クリニックであれば
将来の退職金自動積立のために小規模共済を使えたのですが、

医療法人化すると使えなくなるので、
気づいたら老後の準備ができていないということになってしまうということです。


とても月 10 万円では生活できませんので、
開業する時に、やはり年金制度もきちっと考えて
開業していただいた方が良いと思います。


柏崎:
今回は、医療法人の売却代金が
佐藤先生の年金の足しになって本当に良かったです。



佐藤先生:
いつまでもあると思うな親と金、
ないと思うな柏崎法務事務所ですね。

ぜひとも譲渡した先の先生には成功して欲しいです。

今は、ズームでそういう時代ですけれど、
またご縁がありましたら、ゆっくり飲める機会もあるでしょう。

スタッフの堤様に本当にお世話になりました。
ありがとうございました。

健康に気を付けて、ぜひ頑張ってください。


柏崎:
こちらこそ本当にありがとうございます。


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